【美術館散歩】YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-

こんにちは!今回は、東急プラザ渋谷で開催中の「YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-」についてご紹介します。

世界的に有名なスペイン出身のフォトグラファー、YOSIGO(ヨシゴ)氏、日本初の個展が 、2024年10月1日から12月26日まで開催されています。

目次

YOSIGO(ヨシゴ)とは?

YOSIGOことホセ・ハビエル・セラーノは、1981年にスペインのバスク地方サン・セバスティアンに生まれました。

現在バルセロナ近郊を拠点に活動、コマーシャルフォトグラファーとして「ジャックダニエル」や「ヌテラ」などの世界的ブランドのビジュアルを手掛ける一方で、個人作品も精力的に発表しています。

YOSIGOの作品の特徴は、豊かな色彩と幾何学的な構図にあります。

グラフィックデザインからキャリアをスタートさせた経歴が、彼独特の視点と表現を生み出す源泉となっていると評価されています。

YOSIGO 写真展 「Holiday Memories 旅の瞬間」 展示の見どころ

この展覧会の魅力は、単に写真を鑑賞するだけでなく、まるで世界旅行をしているかのような体験ができることです.

YOSIGOは「単なる旅行写真ではなく、実際にそこに行った感覚で楽しんでもらえたら」と語っています。

光と発見

クロード・モネ『アンティーブ岬』愛媛県立美術館蔵

温かな色調でユニークな建造物を捉えた作品群が展示されています。YOSIGOらしい構図の妙が光る空間です。

“光と、光をうまく扱うことによって インスピレーションを得ます。良い光は 常に大きなインスピレーションを与えてくれます。
一日中ありきたりに見えていた建築物も、 ふとした瞬間、良い光に出逢えば 魔法のような結果をもたらしてくれます。” by YOSIGO(ヨシゴ)

暖かい色味(Colores Cálidos)

“写真撮影において最も重要な作業は被写体を選ぶことです。 程よいトーンの建築物を探し、さらに求める色味で撮ること のできる時間帯を知る必要があります。風景と色を完成させ るのは編集ではなく、被写体と光の調和なのです。
スティーブン・ショア、ウィリアム・エグルストン、ジョエル・ス タンフェルドなど、「ニューカラー世代」と呼ばれる70年代の 写真家たちから多くの影響を受けました。暖かい光と強い影 の間に存在する色の調和は、そのすべてが美しいのです。 好みの色の組み合わせは、時が経つにつれ自然と変わって いきました。初期はグレー系の彩度が低い色味を好んでい ましたが、現在は暖かみのある色味を出したく、オレンジ系 を多用しています。そのため、最近はスペインの画家ホアキ ン・ソローリャの作品をよく見ています。夏の風景を主に扱う 作家なので、テーマや色味を参考にすることが多いですね。” by YOSIGO(ヨシゴ)

グラフィックデザインと構図(Diseño gráfico y composición)


“グラフィックデザインを通じて写真に入門したので、美学的に 参考にした人物も、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン、ポール・ ランド、ソール・バス、オトル・アイヒャーといったグラフィックデ ザイナーでした。この学問において構図とは、白い背景を中心 に、タイポグラフィとグラフィック要素の比重をアレンジしなが ら組み合わせることです。グラフィックデザインの美的基準が、 構図の捉え方に大きな影響を与えました。
今はマニュアルから抜け出し、型を破ろうと努力していますが、 この構成の美学と体系は依然として私の写真に残っています。 影を利用することで新たな対称性と形を背景に加えるライティ ング技法をご覧になればお分かりいただけるでしょう”

世界を探検する Explore The World

ブダペスト Budapest

ブダペスト Budapestはハンガリーの首都です。

ハンガリーは北海道より少し大きいぐらいの面積の国ですが1,300か所の源泉があり、ブタペストには有名なスパ(温泉施設)がたくさんあります。

“ブダペストへは「スパ」を撮るために旅立ちました。私にとっては不慣れな場所ではなかったので、他の国のように探検という要素はありませんでした。スパはブダペストの有名な観光地でありながら、視覚的にも私の作品とうまく調和するので撮影しておきたかったのです。” by YOSIGO(ヨシゴ)

ドバイ Dubai

展示室に1トンの砂を敷き詰めた斬新な空間構成です。

ドバイでの過酷な撮影体験を伝えるエピソードも添えられており、作品の背景にある物語を感じることができます。

“異なる文化圏では、「撮影許可」が実に重要です。ドバイ では人々の同意なく撮影することは犯罪です。そのため、 警察による身分確認や撮影禁止を何度も経験しまし た。その他にもこんなことがありました。四時間かけて 車でアブダビへ移動していた時のこと。砂丘の上で車が 故障したのですが、付近にいた秘密部隊の軍人たちに 助けてもらい、やっとのことで抜け出せたのです。なにご とも当初の計画通りにはいかないのだと改めて感じました。” by YOSIGO(ヨシゴ)

アメリカ合衆国 USA

アメリカではフロリダで撮影された、アールデコ(Art deco)建築とオーランドのテーマパークがメインテーマです。

日本 Japan

“日本では思いがけず夜の風景と人物を撮りました。特に関心がなかった対象を撮影したのは初めてのことです。まさにこれが写真のマジックでしょう。頻繁に起こ ることではないですが、経験してみると恍惚とした気分になります。自分でも何をしているのか分からないまま 撮影するのは本当に素晴らしい経験でした。
あの日の夜は、この仕事を始めた頃のように面白く、写真の醍醐味を感じました。このように、私はその場に着いてから湧き上がる感情、そして発見したものにアプローチするのです。” by YOSIGO(ヨシゴ)

観光と風景 Tourism Landscape

YOSIGO(ヨシゴ)がいつも強く関心をもっているのが「観光」と「風景」です。

旅をしながら新しい雰囲気を感じて撮影します。

郷愁 Nostalgia

サン・セバスティアン San Sebastian

“サン・セバスティアン (San Sebastián) は私が生まれ育った 場所です。友達や家族が住んでおり、初めて写真を撮った場 所でもあります。ラ・コンチャ海岸 (La playa de la Concha) をカメラに収めてからすでに10年が経とうとしています。この海岸はとても独特なところです。満潮になると海岸が水に低く沈み、砂粒も独特な形をしています。また、海水浴場と散策 路の高さにかなりの差がある場所もあります。こうした特徴により、海水浴を楽しみに訪れる人々を撮ることができまし た。ドローンを使っているように見えるかもしれませんが、そうではありません。毎回違うレンズを選ぶことで、同じ場所 でも様々な見せ方を模索できたのです。” by YOSIGO(ヨシゴ)

制作秘話とエピソード

展示では、作品そのものだけでなく、制作秘話や撮影時のエピソードも随所に記されています.

これらの情報は、作品をより深く理解し、YOSIGOの創作プロセスを垣間見る貴重な機会となるでしょう。

例えば、ドバイでの撮影がいかに過酷だったかを知ることで、その作品の持つ意味がより鮮明に伝わってくるはずです。

インタラクティブな仕掛け

「GREETINGS FROM」ゾーンにはレトロなテレビのセットがありました。

YOSIGO 写真展 「Holiday Memories 旅の瞬間」 にはこのような、来場者が作品と対話できるような工夫が随所にあります。

これらの仕掛けは、平面的な印象だった写真展という企画を立体的で魅力的な体験にしてくれます。

YOSIGOの言葉

YOSIGOは今回の日本での展覧会について、次のようにコメントしています

“2021年の韓国での個展は自然発生的に生まれたプロジェクトで、私にとっては開催すること自体がすでに大成功でした。私はただ、見に来てくれた人たちが気に入ってくれるといいなと思っていたのです。実際には40万人以上の来場者があり、2度も会期延長となりました。それは考えてもみなかったことです。そして今回、日本でも展覧会を行うことになり、もうひとつ夢が実現しました。” by YOSIGO(ヨシゴ)

さらに、日本という国について、YOSIGOは次のように語っています。

“日本は写真を撮るのに素晴らしい国です。異文化、異国から来た私にとって、伝統とモダンのミックス、街並みなど、見るものすべてが刺激的で、東京の持つエネルギーはそのリズムも色彩も、他の場所とはほとんど比較になりません。” by YOSIGO(ヨシゴ)

「YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-」まとめ

「YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-」は、YOSIGOの感じた旅の光、色彩を写真で共有できる貴重な機会です。

YOSIGOの独特の視点と色彩感覚が織りなす作品群は、私たちを新たな旅の世界へと誘います。

渋谷という東京の中心地で開催される展覧会は、日常の喧騒をひととき離れ、世界の美しさに浸る特別な時間を提供してくれます。

YOSIGOが切り取った「旅の瞬間」を通して、私たち自身の旅の記憶も蘇り、また新たな旅への想像力を掻き立てられます。

ぜひ体験してみてください。

YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間- HP

このブログではデザイン切手の話題、美術館や休日の散歩情報などをご紹介しています。 

Twitter、Instagramでは手のひらにのる小さなアート「1枚の切手」、街で見つけたアートを投稿しています。

フォローしてくださるとうれしいです!

Twitter @postio_marche

Instagram mylittleart_studio

外国切手のウェブショップ ポスティオ・マルシェ https://www.postio.jp/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次