【美術館散歩】アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界 @府中市美術館(2024年9月〜)

東京都府中市にある府中市美術館で2024年9月21日〜12月1日に開催されている『市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』を見に行きましたのでご案内します。

アルフォンス・ミュシャ(Alfons Maria Mucha 1860年7月24日-1939年7月14日)

アール・ヌーヴォーを代表する画家、グラフィックデザイナー、イラストレーター、現在のチェコ共和国にあたるオーストリア帝国モラヴィアのイヴァンチツェで生まれました。

895年に舞台女優サラ・ベルナールの芝居のために制作したポスター『ジスモンダ』で有名になり、アール・ヌーヴォーの旗手としての地位を確立しました。1910年に故国チェコに帰国し、『スラヴ叙事詩』の制作に約20年を費やしました。

独特な芸術スタイルと多岐にわたる作品で、アール・ヌーヴォー運動に大きな影響を与えた芸術家として今日も高く評価されています。

目次

アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界の見どころ

ミュシャの版画と油彩画の共演

パリ時代の華やかな版画作品と、パリを離れた後に取り組んだ油彩画を同時に鑑賞できるのがこの展覧会の魅力です。

一見異なる世界に見えるこれらの作品ですが、よく観察すると色使いや構図、形の作り方に共通点があることに気づきます。

アルフォンス・ミュシャ・1895年『ジスモンダ』

代表作で有名になるきっかけになった『ジスモンダ』は9番目の展示でした。

タテが216cmあり、実際に見るとかなり大きいポスターです。

貴重な大型油彩画

世界的に有名なドイ・コレクションから、《ハーモニー》と《クオ・ヴァディス》の2点の大型油彩画が展示されています。

ドイ・コレクションとは、カメラのドイで知られる株式会社ドイの創業者である故土居君雄氏が収集したコレクションです。

土居氏はミュシャの実息ジリ・ミュシャ(イジー・ムハ)氏との公私にわたる親交によって、ミュシャの祖国(現チェコ共和国)では観ることができない大型の油彩画や下絵など、貴重な作品を加えた厚みあるコレクション形成に尽力し、1989年にチェコスロヴァキア文化功労最高勲章を授与されました。

土居氏の逝去後にコレクションは縁のある大阪府堺市に寄贈されました。約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵し、堺市立文化館・アルフォンス・ミュシャ館で公開しています。

これらの作品は通常、堺市以外ではほとんど公開されない貴重なものです。

(展覧会期間が終わりましたら《ハーモニー》と《クオ・ヴァディス》の画像を掲載します)

ミュシャの作品制作プロセスの秘密

ミュシャの魅力を解き明かす重要な要素として、下絵や素描が展示されています。

完成作品と比較しながら、ミュシャがどのように「ミュシャらしさ」を生み出していったのかを知ることができます。

ミュシャと日本のつながり

同時開催のコレクション展では、ミュシャと日本の近代洋画との意外なつながりも紹介されています。

ミュシャの師であるローランスとコランが明治時代の日本人洋画家を指導していたことや、ミュシャ自身が日本の画家を直接指導していたことなど、興味深い事実です。

アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展まとめ

この展覧会は、ミュシャの芸術の本質である「造形の力」に焦点を当てています。

版画や油彩画、素描など様々な形式の作品を通じて、ミュシャの圧倒的な造形力を体感できる貴重な機会です。

多角的にミュシャを見ることができる展示が秀逸で、学芸員の音ゆみ子さんの解説は丁寧でわかりやすく展覧会の魅力をアップさせてくれました。

ミュシャ好きの人も初めてミュシャにふれる人も楽しめる展覧会です。

芸術の秋、ぜひミュシャの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

ミュシャは多くの国から切手が発行されていて、ポスティオ・マルシェのコレクションテーマの1つです。

こちらの記事も併せてご覧ください。

府中市美術館について   

府中市美術館は、「生活と美術=美と結びついた暮らしを見直す美術館」をテーマに2000年10月に開館した美術館です

東京都府中市の緑豊かな都立府中の森公園内に位置しています。

開館以来2,305点の作品を収蔵しており、継続的に収集活動を行っています

地域に根ざした美術館として、様々な教育普及活動を展開しています。

ワークショップ、美術館講座、ミュージアムコンサート、所蔵品ギャラリートークなどを定期的に開催しています。

府中市美術館 概要

  • 所在地:東京都府中市浅間町1-3
  • TEL :042-336-3371
  • 交通:京王線・府中駅からコミュニティバス「ちゅうバス」(多磨町行き)が便利ですが1時間に2本です。 このほかのバスはバス停から徒歩8分です。東府中駅からは徒歩が可能で約17分です。
  • ロッカー:あります(100円戻り式)
  • 写真撮影:展示室内は不可
  • 一般駐車場 あり(60台)
  • 入館料(ミュシャ展)大人:1,000円、中高生:700円
  • 休館日:毎週月曜日、そのほかウェブサイトのカレンダーでご確認下さい。

府中市美術館 WEBサイト https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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