こんにちは! カレル・スヴォリンスキーの切手デザイン、3回目は、彼の切手の中でも人気の高い花の切手をご紹介します。
カレル・スヴォリンスキー(Karel Svolinsky)のプロフィールについてはこちらの記事をご覧ください。
スヴォリンスキーが原画を描いた花の切手
チェコスロバキア・1960年・花(6)
肖像画切手から民族の伝統をテーマにした切手を経て、1960年にスヴォリンスキーとして初めての花の連作切手※が発行されました。
Thistle(アザミ)、Cyclamen(シクラメン)、Primrose(サクラソウ)、Lempervivum(センペルビブム)、Gentian(リンドウ)、Pasque Flower(オキナグサ)のイラストです。
1963年に『Wild Flowers』という本の挿絵を描いていて、その画風と1960年の切手は一致します。
※ 1957年に『リディチェ15年』のうちの1枚がバラをモチーフにした切手です。
チェコスロバキア・1964年・花(6)
この花の切手で見られる、縦に配置されたタイポグラフィが、スヴォリンスキーの魅力の1つになっていきます。
Creeping Bellflower(キキョウ)、Musk Thistle(アザミ)、Chicory(チコリー)、Yellow Iris(黄菖蒲)、Gentian(リンドウ)、Corn Poppy(ヒナゲシ)のイラストです。
チェコスロバキア・1965年・薬用植物(7)
翌年の1965年に発行された7枚組の切手は、花のイラストとタイポグラフィが、すてきにリンクしていて、見ていて飽きないデサインです。
ヨーロッパでは古くから薬に用いられる西洋ハーブの花をテーマにした切手です。
Autumn Crocus(イヌサフラン)、Mountain Arnica(アルニカ・モンタナ)、Field Poppy(ヒナゲシ)、Dog Rose(イヌバラ)、Garden Cornflower(ヤグルマギク)、Coltsfoot(フキタンポポ)、Purple Foxglove(ジギタリス・プルプレア)のイラストです。
チェコスロバキア・1973年・オロモウツ植物見本市(7)
1973年の花切手は2つの違うサイズでセットになっています。
Iris(アイリス)、Flamingo Flower(アンスリウム)、Boat Orchid(シュンラン)、Tulip(チューリップ)、Rose(バラ)、Chrysanthemum(キク)のイラストです。
チェコスロバキア・1979年・山岳救助サービス(5)
1979年、スヴォリンスキーが83歳の時にデザインした切手です。
こちらは当時のチェコスロバキアの切手に多い小さいサイズの切手ですが、躍動感のあるタイポグラフィと花のイラストと山岳救助のメッセージが収められています。
Mountain Bellflower(マウンテンベルフラワー)、Crocus(クロッカス)、Pinks(ナデシコ)、Alpine Hawkweed(ヤナギタンポポ)、Larkspur(デルフィニウム)のイラストです。
スヴォリンスキーの花の描き方
キク科の花の描き方を比較してみました。
スヴォリンスキーが花を切手に描く時のデザインの特徴が見えてきます。
・タテ位置に描く
・花と茎、葉も合わせて描く
・茎に沿うように文字を入れる
・植物画を再現しているような色合い
伝統的な植物画を背景にして、アールヌーボー的な要素を取り入れ、自分のスタイルを完成させていったのではないかと考察します。
カレル・スヴォリンスキーは、デザインされたタイポグラフィ(文字)と花の組み合わせで魅力あふれる花の切手をデザインしました。
次回はカレル・スヴォリンスキーのあまり知られていない意外な切手デザインをご紹介します。
※ 掲載の切手は個人コレクションを含みます。文章と画像はオリジナルです。無断転載はご遠慮ください。
このブログでは手のひらにのるアート「外国切手」を中心に小さなアートをご紹介しています。
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