こんにちは!今日はチェスラフ・スラニア(Czeslaw Slania 1921 – 2005)が73歳の時点で900種の中から自身で選んだベスト10の切手をご紹介します。(生涯発送数は1422種です。)
スラニアが手がけた切手の発行国と種類はvol.2をご覧ください。
1995年『郵趣』の企画でベスト10を選出
チェスラフ・スラニア(Czeslaw Slania 1921 – 2005)はポーランド生まれの凹版切手彫刻家です。
1995年に900枚目の切手を発行した記念に、雑誌『郵趣』の企画でスラニアが自ら切手を選びました。
900枚目の切手は「オジロワシ(世界自然保護基金より)」です。
No.1 スウェーデン / 民俗音楽家・ヒンス・アンデシュ
栄えある1位は「民俗音楽家・ヒンス・アンデシュ」スラニアが一番お気に入りだった切手です。
モチーフはスウェーデンの画家、アンデシュ・ソーン(Anders Leonard Zorn 1860-1920)の作品です。
バイオリンの音色が聴こえてきそうな質感があります。
1983年発行「スウェーデンの音楽」シート中央に配置されました。
この切手は、1984年にウィーンで開催された「シュトルツ 84」 では世界で最も美しい切手として「ロベルト・ シュトルツ賞」を受賞しました。
No.2 フェロー諸島 / 普通切手・羊(ひつじ)
スラニアファン以外の方も目にしたことがあるのではないでしょうか。
目の表情と毛並みの畝りなど1本1本がリアルです。
アップで見ると、本当に細かい点と線で構成されている職人技とも言える技巧に驚愕します。
No.3 スウェーデン / グスタフ3世の戴冠
スラニアの70歳の誕生日を記念する切手です。
モチーフは、カール・グスタフ・ピロ(Carl Gustaf Pilo 1711 -1793)の『グスタフ三世の戴冠』
当時スウェーデンで発行された最大の凹版切手でした。
No.4 スウェーデン / 観光船ユーノ
観光・切手帳の中の1枚です。
船と背景の樹木や水面が隅々まで描かれています。
写真では?と見返してしまいました。
No.5 スウェーデン / バレエ
私がスラニアに惹かれたきっかけになった切手です。
なんて美しい切手なんだろう・・と、いつ見ても思います。
モチーフは「ロミオとジュリエット」です。
No.6 スウェーデン / 普通切手・シュワップ画・郵便馬車
Horsepower mail coach(三馬力の郵便馬車)
馬の躍動感がすごいです。普通切手にも手を抜かないスラニアの作品を堪能できます。
ベスト10の中では一番若い1971年、49歳のときの作品です。
No.7 モナコ / からくり人形 – 1
モナコの4枚セットから2枚選ばれています。
No.8 モナコ / からくり人形 – 2
人形としての静の空気感がありますね。ディティールも細かいです。
No.9 モナコ / 切手普及50年
モナコ郵便局の局舎『 Villa Miraflores 』を遠近法を用いて描き、迫力ある建築物を表現しています。
建物の写真を見ると、細かい装飾も再現されていることがわかります。
No.10 スウェーデン / 銀製のコーヒーポット
ロココをテーマにした中の1枚、銀製のコーヒーポットが10位に入りました。
1995年・73歳の時にスラニアが選んだベスト10
発行国 | 発行日 | 名称 | |
1 | スウェーデン | 1983/10/1 | 民俗音楽家・ヒンス・アンデシュ(音楽 小型シート) |
2 | フェロー諸島 | 1979/3/19 | 普通切手・羊 |
3 | スウェーデン | 1991/10/5 | グスタフ3世の戴冠(スラニア生誕70年小型シート) |
4 | スウェーデン | 1979/5/7 | 観光船ユーノ(観光切手帳) |
5 | スウェーデン | 1975/10/11 | バレエ |
6 | スウェーデン | 1971/9/25 | 普通切手・シュワップ画・郵便馬車 |
7 | モナコ | 1994/1/7 | からくり人形 |
8 | モナコ | 1994/1/7 | からくり人形 |
9 | モナコ | 1987/4/23 | 切手普及50年 |
10 | スウェーデン | 1979/10/6 | 銀製のコーヒーポット(ロココ美術 小型シート) |
スラニア自身が1995年に選んだ10枚の切手、いかがでしたか?
意外なセレクトもあったと思いますが、じっくり見ると「なるほど!」と感じます。
このあと2005年に逝去するまでの10年間に522種の切手を制作しました。
高齢になってもさらに技術は磨かれていきます。
Vol.1ではスラニアが「生涯最高の出来栄え」と評した切手を掲載しています。
次回もスラニアを別の角度から探求していきたいと思います。
ポスティオ・マルシェではスラニアの切手グループがありますので、見に来てください!
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