こんにちは♪ 2022年7月11日から10月2日(途中休み期間あり)まで、東京都小平市の「武蔵野美術大学・美術館」で開催されている『みんなの椅子・ムサビのデザインⅦ』を見てきました。
『みんなの椅子・ムサビのデザインⅦ』
400脚を超えるコレクションを公開
武蔵野美術大学・美術館は、1967年の開館以降、名作椅子と呼ばれる近代の椅子を収集しています。
今回の展覧会では美術館の開放的な空間に250脚を展示し、コレクションの全容を紹介し、近代デザインを俯瞰するという試みです。
多くの椅子は座ることができます。
見どころ
座って比べる名作椅子・・一部を除き、たくさんの椅子に座ることができます。
メディアとしての椅子・・特設サイトと会場内映像で名作椅子のメディア機能についても考察します。
デザイン史を体感・・近代以前から現代に至るまでの椅子を全10章に分け展覧します。
会場のデザインはIGARASHI DESIGN STUDIOを主宰し、武蔵野美術大学では空間演出デザイン学科の教授である五十嵐久枝さんが担当しています。
美術館のダイナミック空間と丁寧な仕事を感じる展示手法が融合して、素敵な展示空間でした
『みんなの椅子・ムサビのデザインⅦ』展示の構成
会場にはコードがあり、椅子についての解説をみることができます。
椅子それぞれに説明はなく、コードからアクセスして椅子の解説を見る形式です。
1. 近代椅子デザインの源流
ハンス・ウェグナー (1914-2007)の《チャイニーズチェア(No.4283)》など近代以前の椅子に影響を受けた椅子が並びます。
2. トーネットとデザイン運動
曲木家具で知られる、ミヒャエル・トーネット(1796-1871)を中心にトーネット社が制作した椅子と、「アーツ&クラフト運動」「アール・ヌーヴォー」「アール・デコ」様式の椅子が並びます。
3. 国際様式と家具デザイン
1930-40年代に発生した万国共通の様式や工法を是とする「国際様式」の元に製作された椅子たちです。
ル・コルビュジエ(1887-1965)、アルヴァ・アアルト(1898-1976)、ミース・ファンデル・ローエ(1886-1969)マルセル・ブロイヤー(1902-1981)など、バウハウスと関連のある作品もたくさん見ることができます。
4. ミッドセンチュリーと大衆消費社会
FRPを用い量産された世界最初の椅子チャールズ・イームズ(1907-1978)の《DSS》や、エーロ・サーリネン(1910-1961)《ペデスタルチェア/チューリップアームチェア(No.150)》など、20世紀中頃のアメリカで興ったミッドセンチュリーの世界です。
このままポストカードにしたい!
5. スカンジナビアンモダン:手仕事と機能性の共存
ミッドセンチュリーと同じ頃に北欧で流行した自然素材と手仕事による椅子です。アルネ・ヤコブセン(1902-1971)《セブンチェア》ハンス・ウェグナーの《Yチェア》は日本の家庭用としても人気です。
6. イタリアンモダン
椅子を座るものとしてだけではなく、自由な発想でデザインされた椅子が1950年代以降のイタリアで生まれていました。
クスッと笑ってしまうような、陽気で明るい椅子たちが集まっています。
7. ポストモダンと倉俣史朗
アクリル樹脂の中に薔薇の花が舞う、透明感と浮遊感に満ちた作品、倉俣史朗(1934-1991)の《Miss Blanche》のためにあるような展示室です。
『みんなの椅子・ムサビのデザインⅦ』の中でも尊敬が込められている込めた展示だと思いました。
この会場をデザインした五十嵐久枝さんはクラマタデザイン事務所の出身です。
8. 日本の椅子[前期に展示]
日本の椅子は緑の見える部屋に置かれていました。
並べてみると、1つのパターンではなく、さまざまな形があるなと思いました。
会期は前後期に分かれていて、2022年7月11日(月)〜2022年8月14日(日)は日本の椅子の展示があります。
9. フォールディングとロッキング
国や年代に関わらず、折りたためること、揺れることをテーマに集めたコーナーです。
ロッキングチェアに揺られて、他の椅子を見ていると幸せな気持ちになります。
10. みんなの椅子[後期に展示]
会期は前後期に分かれていて、2022年9月5日(月)〜2022年10月2日(日)は日本の椅子の展示があります。
武蔵野美術大学の卒業生や教員などの関係者が、国内家具メーカーにて製造に携わっている椅子が展示されます。
『みんなの椅子・ムサビのデザインⅦ』概要
会期:[前期]2022年7月11日(月)–2022年8月14日(日)
[後期]2022年9月5日(月)–2022年10月2日(日)
会期時間:12:00–20:00(土・日曜日、祝日は10:00 – 17:00)
休館日:水曜日
入館料:無料
会場:展示室1・2・4・5、アトリウム1・2 他
武蔵野美術大学・美術館について
- 所在地: 東京都小平市小川町1-736
- 交通:西武国分寺線「鷹の台」駅下車 徒歩18分、JR中央線「国分寺」駅北口からバスで「武蔵野美術大学正門前」約25分
- ロッカー:あり
- 写真撮影:みんなの椅子は全てのエリアで可能
- 一般駐車場:なし。近隣も駐車場は少ないです。
- 休館日はウェブサイトのカレンダーでご確認下さい。
学生でない一般の人も学内に入ることができます。
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