今日は2021年2月3日(水)〜5月10日(月)に開催された『佐藤可士和展』の際に訪問した、国立新美術館についてご紹介します。
国立新美術館
国立新美術館は、2007年1月に東京都港区に開館した、日本では5館めの国立美術館です。コレクションを持たずに、新美術の企画展を目的としています。そのため、世界でも有数の企画展示室・公募展示室をあわせ持ち、10を超える展覧会が同時並行で開催できます。
新美術館の重要な役割として、国内各地の展覧会に関する図録などの情報を収集・集積・研究し、情報を公開するというものがあります。
国立美術館というと西洋美術館のような、美術館のコレクションを軸に、展覧会を企画するというイメージですが、国立新美術館は、新しいアートを日本の国民に伝えるという役割を担う美術館なのです。
国立美術館5館はこちらです
- 東京国立近代美術館 momat.go.jp
- 京都国立近代美術館 momak.go.jp
- 国立西洋美術館 nmwa.go.jp
- 国立国際美術館 nmao.go.jp
- 国立新美術館 nact.jp
国立新美術館の建築
近代日本を代表する建築家、黒川紀章氏(1934〜2007年)の作品です。「森の中の美術館」をコンセプトに設計されました。
ガラスが目立つ外観からは「どこが森の中?」と思うのですが、中に入って、見える景色から、そういことだったのか!と気がつきます。外には都市の中にあって貴重な緑地の青山墓地が借景として見えるのです。
美術館の建物に入る前にあるのが、ガラスの茶室です。これは吉岡徳仁氏(1967年〜)のデザインです。
2011年の第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で発表され、2015年に京都の将軍塚青龍殿の大舞台で披露されたものが、国立新美術館の建築を背景にして印象的に存在しています。ちょっとバブル期の名残りを感じるのはわたしだけでしょうか?
美術館の中は吹き抜けになっていて、開放的なアトリウムになっています。見上げると、3階にはレストランひらまつが運営するレストランがあります。
ここにもバブル期の名残りを感じます。もしかしたら、バブル期という現代アートなのか?と感じます。
国立新美術館は外側から見ると箱物建築の遺産のように見えますが、他の国立美術館ではできなかったような企画展を催してきて実績があります。
鮮烈だったのは2017年の『ミュシャ展』です。日本で初めてアルフォンス・ミュシャの『スラブ叙事詩』を展示するにあたって、大きなスペースが必要でしたが、それをクリアできたのが新国立美術館の空間でした。
そして2021年、その空間を生かした展覧会が開催されました。次回は『佐藤可士和展』をご案内します。
国立新美術館・概要
- 所在地:東京都港区六本木7-22-2
- 交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅 6出口(美術館直結)
- アクセス補足:地下鉄千代田線直結です。でも、乃木坂駅からは建物の「裏側からアクセスすることになりますので、初めて行くなら、建築の正面からアクセスできる六本木駅から歩くのがおすすめです。帰りは乃木坂駅が便利です。
- 東京メトロ日比谷線六本木駅 4a出口から徒歩約5分
- 開館:2007年1月
- ロッカー:あり:コイン戻り式 ¥100(¥100コインお持ちください)
- 写真撮影:佐藤可士和展は可能、そのほかは企画展による
- 開館時間:10:00-18:00 (入館は17:30まで)
- 毎週火曜日休み(祝日はほぼ開館)
- 2021年2月現在は日時指定予約制です。ウェブサイトからの予約が便利です。
- 入館料休館日はウェブサイトでご確認下さい。
国立新美術館の2021年〜2022年の予定
☆2021年2月3日〜5月10日(月)佐藤可士和展
☆2021年6月9日〜9月6日(月) ファッション・イン・ジャパン 1945-2020
☆2021年10月1日〜12月19日(日)庵野秀明展
☆会期は未定:マティス・自由フォルム
☆2022年2月9日(水)〜5月30日(月)メトロポリタン美術館
黒川紀章 氏
1934年、愛知県生まれ。京都大学建築学科卒業後、東京大学大学院に進み、丹下健三研究室に所属。1960年、26歳で菊竹清訓らとともに建築の理論「メタボリズム」を提唱。1962年、黒川紀章建築都市設計事務所を設立。主な作品に、中銀カプセルタワービル、埼玉県立近代美術館、名古屋市美術館、広島市現代美術館、和歌山県立近代美術館・博物館、福井市美術館、ヴァン・ゴッホ美術館新館(オランダ)、クアラルンプール新国際空港(マレーシア)などがあります。日本建築学会賞、日本芸術院賞、フランス芸術文化勲章をはじめ、国内外での受賞多数。2006年、文化功労者に選ばれました。2007年10月、73歳で死去。
国立新美術館は、黒川紀章氏が設計した数多くの美術館の中で、生前に完成した最後の美術館です。(引用:新国立美術館ウェブサイト)
吉岡徳仁 氏
1967年生まれ。倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、2000年吉岡徳仁デザイン事務所を設立。デザイン、建築、現代美術の領域において活動し、自然をテーマにした詩的な作品には、日本の美の根源が映し出されている。光などの非物質的な要素を形象化した作品は、形という概念を超え、人間の感覚を超越するような、独自の表現を生み出している。(引用:TOKUJIN YOSHIOKA ウェブサイト)
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